基礎知識|遮音性能に関して

遮音性能に関して

  • 音は、物理的な現象としての「音(音響振動)」と人間の感覚としての「音(可聴音)」の2つで定義されています。人間の耳で聞くことができる音(可聴音)の周波数(可聴周波数)はおよそ 20~20,000Hz で、可聴周波数の上限を最高可聴限、下限を最低可聴限と言います。(加齢に伴い高い音から聞こえにくくなり最高可聴音は低下。)又、最低可聴限より低い音を超低周波音、最高可聴音より高い音を超音波と呼んでいます。
  • 遮音性能は、透過損失(TL)にて表され音源からの音を界壁を隔てて聞いたときどのくらい音が小さくなったかを透過損失(TL:単位dBデシベル)にて表します。下図の場合、界壁の遮音性能がTLD-60の性能を有している時、音源側 100dB の音圧レベルに対して受信側が40dB となり、入射音に対して 60dB 低減できる性能があることとなります。



遮音性能に関して 図1.bmp

遮音性能に関して 図2.bmp     遮音性能に関して 図3.bmp

建築物の遮音性能基準

1.適用範囲

  • この基準は、建築物の用途に応じて建築物の遮音性能を適切に保持するために、室間音圧レベル差の表示方法、測定方法評価方法ならびに性能基準について規定します。

2.遮音性能の表示方法

  • ①音圧レベル差の表示方法
  • 音圧レベル差に関する性能の表示方法は、「遮音等級の基準周波数特性」を用い、次に示す方法により求めた遮音等級によって行います。遮音等級の求め方は、中心周波数 125.250.500.1000.2000.4000Hz の1オクターブ帯域における音圧レベル差の想定値または設計値を「遮音等級の基準周波数特性」に転記し、その値がすべての周波数帯域においてある基準曲線を上回るとき、その最大の基準曲線の呼び方により、遮音等級を表します。ただし、建物の現場測定結果においては、各周波数帯域の測定値に2dBを加えることが出来ます。

3.測定方法

  • ①音圧レベル差
  • 空間音圧レベル差の測定方法は、「日本建築学会推奨測定規準D.1」「建築物の現場における音圧レベル差の測定方法」により行われます。

音圧レベル差に関する遮音等級の基準周波数特性(クリックで拡大)

4.性能基準

  • ①建物・室用用途別の性能基準は、次に示す適用等級により決定します。

表1.室間平均音圧レベル差に関する適用等級
遮音性能に関して 図5-1.bmp

  • ②適用等級の意味
  • 遮音性能に関して 図6.bmp

5.評価方法

  • ①質間音圧レベル差
  • 3-①によって測定された室間音圧レベル差の評価は、原則として2-①に示す方法によって表示し、適用等級との対比によって行われます。

※日本建築学会「建築物の遮音性能基準と設計指針」[第二版]~ 日本建築学会編 より抜粋。

6.住宅性能基準の適用

表示尺度と住宅における生活実感との対応例
遮音性能に関して 図7.bmp

※日本建築学会「建築物の遮音性能基準と設計指針」[第二版]~ 日本建築学会編 より抜粋。

7.製品選定に関して

  • 近年の住宅事情により性能上すぐれた製品が求めれており、グレードにより差はありますが集合住宅だとD-50以上ホテルだと最低でもD-45以上の性能が一般的であると考えます。上記の求められる性能に伴い、単体での性能並びに構造体としても側路伝播音による性能低減を十分に考慮し、製品選定を行うことが重要となります。
  • 実際に必要とされる性能(設計目標値:Dr値)の選定に関しては、建築物の構造(RC造、S造)により側路伝播音の影響が大きく異なるケースがあるので、単体性能(TLD値)のみではなく、千鳥工法やノンスタッド工法等の長所・短所を検討の上、選定をおこなうことが理想的と思われます。