基礎知識|遮音性能(性能評価)用語説明

遮音性能(性能評価)用語説明

JIS規格品

  • JIS A 1491-1付属書1では、空間音圧レベル差を評価する為、周波数特性を持つ基準曲線(等級曲線という)を5dBピッチで定めております。この尺度によって評価された空間音圧レベル差を空間音圧レベル差等級(Dr値)と称します。一方、乾式遮音壁の評価曲線は『実験室における建築部材の空気音遮断性能』すなわち音響透過損失であり、基準曲線の表示は音響透過損失等級(TLD値)となります。
  • 又、実験室では壁単体としての透過損失(TL値)を1/3オクターブで測定します。この値を1/1オクターブに変換し、これを空気音遮断性能の等級曲線に当てはめ1dB間隔のD数を求めたものがTLD値となります。このTLD値と実際の建築物における空間音圧レベル(Dr値)の関係は各部の廻り込み・その他低減値(迂回路音、側路伝播等)のマイナス要因を考慮すると1~2ランク(5~10dB)程度低下すると考えられます。
  • ※注意※
  • S造の場合は、外壁と柱・梁の隙間から透過音による側路伝播が発生する為、10~15dB低下する場合もある。

Dr値
遮音性能を中心周波数 125Hz~4000Hzの6帯域を測定し、日本建築学会の基準曲線にあてはめすべての測定域が基準曲線を上回るときの数値。

遮音性能に関して 図8.bmp

Rr値
品確法で規定されている壁単体の遮音性能値。
TLD値と同じく音響試験室で測定した数値ですが、測定音域を100Hz~2000Hzと音域の評価方法の違いが若干ありますが、ほぼ同じ値となります。

可聴音

人では、通常20Hzから、個人差があるが15,000Hzないし20,000Hz程度の音を音として感じることができ、この周波数帯域を可聴音という。可聴音を超えた周波数の音は超音波という。可聴域を下回る、あるいは可聴域下限付近の低周波音は、これまで知られていなかったタイプの騒音被害(低周波騒音)引き起こすものとして注目されている(低周波音参照)。尚、可聴域近傍の周波数の音は、振動として皮膚感覚などで感知できる場合がある。

参考 ・ NHKの時報 440Hz と 880Hz を 採用している。

・低周波 ~ 1/3オクターブバンド中心周波数で 1~80Hzの音波、そのうち 1~20Hzの音波を超低周波音と定義されている。

遮音等級(Dr値)=(D値)

  • D値は実際の建築物の2空間の遮音性能(2室間の空気音遮断性能)を表わします。D値は遮音性能を中心周波数、125,250,500,1000,2000,4000Hzの6帯域測定を測定し、日本建築学会の測定基準曲線にあてはめ、すべての測定域が基準曲線を上回るときの数値をD値と呼びます。
  • ※Dr値は、JIS A 1419:1992に規定された遮音等級であり、2000.1に改定された現JIS A 1419:2000においてDr値に変更されておりますが、D値=Dr値と考えて問題ありません。

壁単体の遮音性能(TLD値)

  • TLD値は、音響試験室で測定された遮音壁単体の遮音性能(音響透過損失)を表わします。TLD値は、Dr値と同様に日本建築学会基準曲線にあてはめて求めます。但し、Dr値が40、45、50などの5単位間隔で表わされるのに対してTLD値は、41,42,43などの1単位で評価します。

壁単体の遮音性能(Rr値)

  • 品確法で規定されているRr値もTLD値と同じく、音響試験室で測定された遮音壁単体の遮音性能です。両者は低音域100Hz~2000Hzと音域の評価方法の違いが若干ありますが、ほぼ同じ値と考えて差し支えありません。( 例:Rr-48~52まで『 Rr-50 』 Rr-53~57まで『 Rr-55 』 )

『Dr値』と『TLD値』の関係

  • 実際の建築物の2空間の遮音性能『 Dr値 』は、音響試験室での空気音遮音性『 TLD値 』から建築物の施工状況や、設備・サッシ等の設計仕様などによる『 音の回り込み・その他の低減域の合計 』を差し引く事により求められます。

遮音性能に関して 図9.bmp

  • ※音の回り込み※
  • 音は、空気中を伝わる振動で物にぶつかると入射や反射をし、回り込んだり拡散したりします。例えば、音が壁を透過して隣室に伝わるでなく、サッシなどからベランダを経由して隣室に伝わったり、ユニットバスや床スラブ等、その他音響的な回り込みによる影響の事を言います。
  • Dr値は、TLD値より回り込みやその他の低減を行った値になることから、一般的に5dB~10dB程度低減する事が予測されます。又、窓・ドアが隣接(1.5m以内の場合)している場合はさらに音の回り込みによる影響が発生する場合があります。 



過去試験結果に基づく参考数値(マンション・ホテルの場合)

自社製品:Dウォール耐火1H千鳥TG(スタッド工法 千鳥配置の場合)

遮音性能に関して 図10.bmp

上記より、RC造の場合 Dr-50(適用等級:1級)~ Dr-45(適用等級:2級)
       S 造の場合 Dr-50(適用等級:1級)~ Dr-40(適用等級:3級)

  • ※Dr-42が1dB性能の良いDr-43の場合は、2dB補正にてDr-45(適用等級:2等級)となりDr評価としては、1等級アップとなります。


自社製品:耐火遮音Dウォール1HⅡ(ノンスタッド工法の場合)

遮音性能に関して 図11.bmp

上記より、RC造の場合 Dr-55(適用等級:特級)
       S 造の場合 Dr-55(適用等級:1級) ~ Dr-50(適用等級:1級)

※上記数値は参考数値ですので、性能を保証するものではございません。

上記により、遮音性能はスタッド工法を採用するよりもセパレートタイプのノンスタッド工法の方が、実際の建築物の2空間における遮音性能は良好になることが予測出来ます。